美容室や理髪店で肩や頭をマッサージ。単なるサービスではありません。髪によいといわれるツボを刺激したり、血行をよくしようとしているのです。これも美容師の技術の一つだと思っています。
いきなり頭を揉みほぐすのではありません。まずは2本の蒸しタオルを用意します。両方の肩に1本ずつのせて、それぞれ1分ずつよく揉みほぐします。
次は首筋。もう1本蒸しタオルを用意して、首筋を下から上へ1分間揉みほぐします。そして肩や首をよく回しましょう。肩や首をほぐす事によって血行をよくしておくと、頭皮のコリもほぐれやすくなります。さぁ、ここから初めて頭皮マッサージに入ります。
マッサージのタブーは、摩擦したり爪を立てる事。使うのは手のひらと指の腹です。手のひらでぐぐっと圧迫する方法と、指先の腹でツボを押す指圧法の二つを使い分けましょう。
最初に指圧法を使います。指圧法のポイントは、指を置いた場所がずれないように押さえる事です。
後頭部から始めましょう。両手を頭の後ろにあてて頭皮を押さえ、上下左右によく動かしてみてください。指を少し広げると、丁度頭の半分を包む感じになります。小指を「つむじ」にあててください。後頭部に向けて指を少し広げると、親指が「ぼんのくぼ」付近に当たりますのでまずここを30秒くらいよく揉みほぐします。
次は前頭部。小指をフェイスラインの髪の生え際に当てます。頭頂部に向かって少し指を広げ、同じく30秒くらいよく揉みほぐします。押さえていると気持ちのよいポイント(ツボ)が見つかります。
次は手のひら全体を使います。耳上部(則頭部)を左右から挟み込みます。両側から痛くない程度に強く2秒程押し込みます。こうすると頭皮の緊張も緩みます。これを10回繰り返してください。次に則頭部に置いた手のひらはそのままで、今度は少しだけ押し込みながら、上下、左右、前回転、後ろ回転、と柔軟に動かします。こめかみ部分を小指の下の一番ふくらんだ面でおおう感じで行います。
ポイントに置いた手のひらや指が、ずれて摩擦しないように気をつけてください。
マッサージは肩→首→後頭部と、下から上へ順番に揉みほぐしましょう。血行を良くするためにも、いきなり気になる部分だけマッサージするのではなく、周りから手入れをしましょう。
けがをして傷ついた時も、その中心からは治りません。周りからだんだんと治って最後に中心がよくなります。
昔は「ブラッシングを100回するとよい」という説もありましたが、今ではほとんど聞かれなくなりました。その説はきっと、以前は今のようにシャンプーを頻繁にしなかったため、絡まった髪をとかしてほこりやゴミを落としてきれいにしたり、皮脂に付いた古い皮膚(フケ)を浮かせて次のシャンプーの時に落ちやすくしたり、また、トリートメントが一般的ではなかったので、頭皮の皮脂を毛先の方に行き渡らせようとした考え方ではないかと思います。
現代は、ブラッシングによる摩擦が、髪や頭皮を傷めてしまうという事がわかり、さらに現代人の髪は昔に比べてダメージも多いので、ブラッシングは髪をとかす、形を整える程度で充分でしょう。これもひと昔前に頭をたたくブラシが流行りました。局部的に頭皮を刺激して、赤くなってしまったお父さんもいらしたそうですね。
ドレッシングのように振る訳ではありません。そういえば美容室でのブローって、美容師さんが慣れた手つきで手首をクルクル回しながらドライヤーをかけてくれるでしょう?あれは熱風が同じ所に長時間あたらなようにするためです。
あるサロンでお客様に「いつもどのようにドライヤーをお使いですか」とご自宅と同じようにやっていただいたところ、うまく髪型が整わないからと、もう乾いているところにガンガン熱風をあてていたそうです。一方まだビショビショに濡れている所から、ブラシで形をつけようとして、同じ所にずっと風をあてていたり…。どちらも間違いです。
乾かしすぎて水分がなくなっていると、うまく形がつかないばかりか、髪の表面をおおっているキューティクルが開き、そしてはがれ、枝毛、切れ毛になってしまいます。
反対に、まだビショビショに濡れている髪の毛に長時間ドライヤーをあてると、髪はかなり高温になり、髪のタンパク質がこわれていたんでしまいます。つまり、やけど状態になってしまうのです。
美容室のブローはまず、強めの風のドライヤーを髪から離してよく振りながら、もう片方の手で髪をパラパラ落とす感じで乾かしていきます。この時に、髪を持つ方の手が熱いと感じたら、それは髪も熱がっているという事です。髪の毛には熱い、痛いと感じる神経がないので要注意です。
乾かす順序はふつう前から後ろへ乾かしがちですが、まず後ろから前へ、下を向いて下(襟足)から上へ向けても乾かしてください。均等に全体の約8割くらい乾いたところでスタイリングに入ると、髪のダメージも少なくすむと思います。はじめの8割はドライヤーをよく振りながら、もう片方の手で髪を上下左右に揺らしながら、ブラシを使わずに全体を乾かし(こうすると根元の癖がとれ、ハネやすい所もすんなりまとまります)、残りの2割でブラシを使うとうまくスタイリングでき、いたみにくいようです。
また、最後の仕上げの段階でブラシをあてながら温風をいきなり冷風に切り替える方法は、ブローの「持ち」が悪いという方にお試しいただきたいテクニックです。髪を触って熱がとれているのを目安にブラシをはずすと、しっかりと形がつき、持ちもよくなるはずです。あまり形がつかない時は乾かしすぎだと思ってください。
パーマをかける時は油分が大敵。髪の脂分のせいでパーマ液が浸透しにくくなります。必ず美容室でシャンプーしてもらいましょう。特に髪の根元部分にしっかりかけたい時でも、根元から皮脂におおわれるので、かかりにくい原因になります。また、いつも油分の多い整髪料をつけている方は、パーマをかける2~3日前からつけるのを控えましょう。
パーマ液はタンパク質に作用するため、髪がいたみすぎてタンパク質が流失している場合や、髪が細くてタンパク質の量が少ない場合もかかりにくいようです。タンパク質重視のトリートメントで1週間程お手入れを行ってからパーマをかけてもらいましょう。
パーマが完全にとれてしまう前にもう一度かけると、カールやウェーブがよくもつようになる方もいます。とれやすい方は少しウェーブが残っているうちにパーマをかけてみましょう。パーマがかかりにくい人は、必ず担当の美容師さんにかかりにくい事、とれやすい事等、自分の分かっている範囲の情報を事前に伝えておきましょう。いつも同じ美容師さんに、お願いして自分の髪質、好みのスタイル等を分かってもらうのも重要なポイントです。もしパーマがとれてしまった時は、すぐに担当の美容師さんに相談してみましょう。
髪が傷んでいる、つまりキューティクルが損傷していると、髪のタンパク質と同様にヘアカラーの染料もシャンプーの度に抜けやすくなります。シャンプーの後は。油分重視のトリートメントではなく(しっとりツヤツやタイプ)、栄養成分重視(髪の補強、修復成分配合タイプ)のトリートメントが効果的です。
またヘアカラーした後にパーマをかけると、色が抜けてしまうのでパーマもかけたい場合は、美容師さんに相談した上順番を考えましょう。
雨の日など湿気がによってくせが強くなるのは髪の水分量が不足している等、髪が水分を吸収しやすい状態になっている事が考えられます。
くせ毛の方は、髪が傷んでいなくても、もともと髪の水分量が少なめで、空気中の水分を吸いやすいので、シャンプー後にトリートメントをして水分や栄養を補給し、キューティクルを整えてあげましょう。水分量が保たれて、髪が健康な状態であれば、雨の日でもセット持ちが違ってくるはずです。それでもどうしても解決しない、お手入れが大変という方は縮毛矯正という方法もあります。以前のストレートパーマより技術は進歩し、ダメージは少なくなったようですが、それなりにお金はかかります。
いつも同じヘアスタイルがいけない訳ではありませんが、いつも同じ分け目にしていると、分け目の頭皮が日焼けや、外気の刺激を受けます。その他にも次のような心配点が出てきます。
髪も濡らさずにいきなりドライヤーをあてていませんか?
乾いた髪に熱風をあてても、髪をいためるだけで寝ぐせはうまく直りません。寝ぐせ直しのスプレーなんて要りません。くせのついている毛束と、その根元に手で水をつけ、少し指で揉んでからブラシで数回とかしてそれからドライヤーで直しましょう。髪の短い方で、根元からしっかりついたくせは、蒸しタオル(または熱いおしぼり)をしばらくあてておくか、いっそのことシャンプーしてしまいましょう。
ふだんのご自身の皮脂の感じがわかっていると、「最近顔がテカテカしているようだ、脂の摂りすぎのサインかな」と気付いたりします。欧米化した食生活で動物性脂肪を多くとるようになると、頭皮も皮脂の分泌が多くなり、毛穴を詰まらせる原因となります。塩分の多い物、濃い味の物、コーヒーなど、お肌に良くないと言われる物のとりすぎは、当然頭皮、つまり髪に良いはずがありません。
同様に『無理なダイエットでお肌がカサカサ』等という方もいらっしゃるように、ダイエットによる抜け毛の例も数多くあるようです。
薬の副作用や脱毛してしまう病気という場合もありますが、そうでない、病気の後や、お産の後に大量に髪が抜ける事もあります。食事時間も含めた不規則な生活や、偏った食事内容など、栄養のバランスが崩れると、まず最初にお肌や髪に影響があらわれるので、これは大きな問題です。和食が良いと言われるのは、カルシウム、ミネラル等が摂りやすく非常に栄養バランスがとれているからでしょう。
| 摂り過ぎに注意したい食べ物 |
| インスタント食品/スナック菓子/ファーストフード/(ハンバーガーフライドポテト等)/動物性脂肪を多く含む食品(脂身の多いお肉)/ラーメン/揚げ物/他 ※特に動物性脂肪を多く摂り過ぎると、コレステロールにより、血行が悪くなり、毛乳頭の代謝を鈍らせると言う説もあります |
| 上手に摂り入れたい食べ物 |
|
牛乳、ヨーグルト、チーズ等の乳製品/卵、鶏肉、赤みの肉等の動物性タンパク質他 ※これらは髪を作るのに欠かせない食品ですが、過剰摂取に気をつけましょう |
| たくさん食べた方が良い食べ物 |
|
海苔、ワカメ、ひじき等の海草類/小魚/魚(白身、赤身、青魚)/果物/豆腐/納豆等の大豆製品の植物性タンパク質/小松菜/ほうれん草等のカルシウム豊富な青菜類/根菜類/こんにゃく(腸の汚れもお肌に影響)/すり胡麻他 ※くれぐれも偏らずバランス良く適量を食べましょう |
| アルコールとタバコ |
| ※適度なお酒は血行を良くしますが、つい揚げ物や、塩辛いものを摂り過ぎてしまいがちになるのが問題です。タバコは血管を収縮する作用があるので血液の循環を悪くし、頭皮の血行を悪くするばかりでなく、弊害は様々です |
ちょっと気になるコラム(2)
私達家族7人は、2002年まで2年半程ニューヨークに暮らしておりました。
湿度が低く寒さも暑さも極端で、日本の気候とは随分違う上、水も食べる物もガラリと変わった生活でした。
まず、妻の顔に変化が現れました。頬が皮がむけたようにボロボロした状態になり、何をつけても良くならず、化粧ノリも悪く、しばらく試行錯誤が続きました。私はと言えば、今までフケを気にした事などなかったのに、目立って肩に落ちたりする事があり、環境の変化を実感しました。
食事に関しても、皆さんご想像の通り、肉食中心。サンドイッチ1つでもとにかく大きい!!ファーストフードも手軽で、よく利用しました。フライドポテト、コーラも本場で食べるとなかなか美味しい!スナック菓子にマヨネーズ…。半年で家族全員太ってしまいました。
その頃からでしょうか、フケが目立たなくなってきたのと同時に頭皮のかゆみを感じるようになってきました。頭をかくと、今度はベタッとしたフケが爪に入ります。それまではシャンプーしない日もありましたが、気になるので必ず毎日洗うようにしました。頭皮も何だかギトギト。いわゆるアブラ性の状態です。「このままではいけない!」とポテトやコーラをLサイズからSサイズにしてみたり、なるべく家で食事したりと少しずつ習慣を元に戻すようにしてみました。すると髪のベタつきも減り、必ずしも毎日シャンプーしなくてもすむようになりました。
妻の肌の状態もやがて元にもどりました。おそらく身体がニューヨークに慣れてきたのでしょう。我が家だけでなく、現地で知り合った日本人駐在員の奥様達も渡米当初は肌荒れや髪質の変化に大変困ったという声をよく聞きました。多くの方は次第に落ち着かれたようです。環境に合わせて肌がたくましくなったのでしょうか。
食生活が身体に与える影響の大きさを体感したと同時に、人間の身体に備わった、『その時の状態に合わせて順応しようとする、素晴らしい力と機能』を見せつけられました。高価な化粧品を塗りたくって、表面的によくしようとするよりも、からだを作るモトとなる食生活を見直し、お肌や髪が本来のよい状態になろうとする力を生かす事が大切なのですね。